「もうCDって時代遅れでしょ?」
そんな声を耳にする機会が増えたのは事実です。
しかし2025年現在、CDというパッケージメディアは、むしろ“再評価”されつつあるのをご存じでしょうか?
とくにその存在感を見せつけているのが、年2回開催されるコミックマーケット(コミケ)です。
2024年冬に開催された「コミックマーケット103」では、来場者数は2日間で約21万人。そのうち音楽系サークル(同人音楽)は依然として高い人気を誇り、多くのブースでCDパッケージを使った頒布が行われていました。
なぜ、あえて「CD」なのか?
それは単に“音楽を届ける”手段としてだけでなく、パッケージ全体が「作品」として成立しているからです。
ジャケットイラスト、盤面デザイン、ブックレット、トラックリストに込められた物語性…。
これらが一体となったCDは、もはや“音の箱”ではなく、“手に取れる体験”なのです。
実際に、CDパッケージにはこんな魅力があります:
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データにはない物理的な所有欲
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ジャケ買いを促すビジュアル表現の自由度
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サインや感謝カードなど、作り手からの直筆メッセージ
そして、これが重要なのですが——
購入したその場で聴けないことが「価値」になっている側面もあります。
家に帰るまでワクワクしながら、CDラジカセやドライブで初めて聴く…
そんな“再生ボタンの前にある物語”が、コミケでは今も確実に生きています。
音楽は“体験”であり、“パッケージ”はその記憶を閉じ込めるタイムカプセルのようなもの。
神宮前レコーディングスタジオでは、こうしたCD制作のご依頼や相談も積極的にお受けしています。
2025年、CDはただの円盤じゃない。
「世界観を封じ込めた、アートパッケージ」として、再び輝きを放っています。